日本人はカフェインに弱い?カフェインと遺伝子の関係について調べてみた おすすめのノンカフェインティーもご紹介

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この記事では、カフェインへの感受性と遺伝子との関係について紹介したいと思います。
また、カフェインが苦手な方におすすめのノンカフェインティーもご紹介しますので、ぜひ最後まで読んでみてください。

それでは早速本題に入ります!

カフェインを摂取するとどんなことが起こる?

カフェインは、大脳皮質を刺激し、感覚野、前頭前、運動野を興奮させますが、その作用は、アデノシン受容体遺伝子(ADORA2A)が密接に関連しています。

参照した文献には、以下のように記載されています。

Caffeineは、化学構造の類似からアデノシンA1、A2A受容体に対して同様の結合親和性を持ち、アデノシンの結合を阻害しドーパミンやノルアドレナリンなどの神経伝達物質の抑制を阻害することにより不眠や興奮な どの作用が現れることが知られている。

参照: 中村 貴子, 「お酒やコーヒーなど日常的飲み物と日本人の遺伝子」, 筑波大学技術報告 31: 33-38, 2011

ざっくりいうと、ドーパミンの放出を抑制する物質のかわりにカフェインが結合することで、ドーパミンの抑制を阻害し、興奮作用が生じるということですね。

カフェインがドーパミンを出すわけではなく、カフェインがドーパミン抑制を阻害するので結果的にドーパミンが増えるという、回りくどい感じですね。なんかカフェインかっこいい。

少し詳しく説明すると、ドーパミンの放出と抑制は以下のような流れで行われます。

① 興奮性情報伝達物質のドーパミンとともにATPと呼ばれる物質が放出される
② ATPはアデノシンに変換される
③ アデノシンがアデノシン受容体と結合すると、興奮性神経伝達物質の量を抑制するシグナルを出し、ドーパミンの放出が抑制される。

上記のような流れがカフェインにより以下のように変わり、カフェインの興奮作用が発揮されます。

① 興奮性情報伝達物質のドーパミンとともにATPと呼ばれる物質が放出される
② ATPはアデノシンに変換される
③ カフェインがアデノシン受容体と結合し、アデノシンとアデノシン受容体の結合を阻害する。
アデノシンによる神経伝達物質の抑制を阻害することで、興奮作用が起こる。

上で紹介した、アデノシン受容遺伝子(ADORA2A遺伝子)はCC型、CT型、TT型の3種類の表現型があります。

先述した筑波大学の論文によると、CC型、CT型、TT型のうち、C遺伝子をもつCC型とCT型はコーヒーでの覚醒効果が高く、コーヒーの効果に対する感受性が高いため、コーヒーの消費量が多いと報告されています。また、T 遺伝子を持つ人はカフェインの摂取後精神的に不安定な気分や不安感が現れるためカフェインの摂取量は少なくなると言われています。

遺伝子的により、カフェインへの感受性が強い人とカフェインによる精神的な不安感の影響を受けやすい人の差が出ているということがわかりますね。

厚生労働省が、カフェインの摂取量目安について以下のように記述しているのも頷けます。

カフェインを一生涯摂取し続けたとしても、健康に悪影響が生じないと推定される一日当たりの摂取許容量(ADI:Acceptable Daily Intake)については、個人差が大きいことなどから、日本においても、国際的にも設定されていません。

参照: 厚生労働省, 食品に含まれるカフェインの過剰摂取についてQ&A, https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000170477.html

日本人はカフェインに強い?弱い?

先述した筑波大学の論文によると、日本人(茨城)のCC型、CT型、TT型の割合は、CC型 24.7%、CT型 49.4%、TT型 26.0%とのことでした。
この結果からみると、日本人の4人に1人程度はカフェインの興奮作用によるメリットのよりも不安感等の影響を受けやすいとも言えるかと思います。

ちなみに、米国人のTT型の割合は20.7%、コロンビア人のTT型の割合は6.9%とのことです。
これらの国と比較すると、日本はカフェインに弱い人の割合が高いと言えます。

それぞれの体の特性やライフステージに合わせて、カフェインと心地の良い付き合いをしていきたいですね!

カフェインの摂取を少なくしたいときにお茶のおすすめは?

カフェインの摂取量を抑えたい方におすすめなのは、カフェインが少ない、またはカフェインが入っていないお茶です。

今回は、カフェインが入っていないお茶のおすすめとして「ルイボスティー」をご紹介します。
ルイボスティーは、お茶の中ではハーブティーに分類され、南アフリカのマメ科の植物が原料のお茶です。

カフェインが入っていないお茶は、味に少し物足りなさを感じることもありますが、ルイボスティーは紅茶のような重厚なボディー感もあり、お茶好きの方でもきっと満足することができると思います。

まずは、スタンダードなルイボスティーをご紹介します。
鮮やかな赤褐色、ルイボス特有の香り、程よいボディ感、ほのかな甘さをお楽しみいただけます。

一般的なティーポット(300ml〜350ml)での抽出に最適な茶葉の量が計量されて1煎パックになっていますので、少しだけ試してみたい方にもおすすめです。この商品には1煎パックが3パック入っています。

次に、こちらは少し珍しいグリーンルイボスです。

発酵させない特殊な製法で作られたルイボスティーで、リーフは緑色で抽出されたお茶はオレンジ色です。
ルイボスティーの特徴はしっかりと残しつつも、通常のルイボスティーよりもまろやかで優しい味わいに仕上がっています。

こちらの商品も、一般的なティーポット(300ml〜350ml)での抽出に最適な茶葉の量が計量された1煎パックが、3パック入っています。

以上、カフェインの観点からみた、コーヒーとお茶の1日の摂取上限の目安をご紹介しました。

巷で目にすることがあるデカフェ、ノンカフェイン、カフェインレスといった表記も少しややこしいので、こちらの記事にまとめています。
興味がある方はぜひ見てみてください。

参照:
・厚生労働省, 食品に含まれるカフェインの過剰摂取についてQ&A,
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000170477.html
・中村 貴子, 「お酒やコーヒーなど日常的飲み物と日本人の遺伝子」, 筑波大学技術報告 31: 33-38, 2011


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