5月〜6月頃になると、新茶という言葉を耳にすることが多くなりますね。
新茶って、どのような定義なのか、気になったことはありませんか?この記事では、新茶の定義や世界の新茶事情についてご紹介します。
新茶の定義について、その年の最初に摘採された新芽で作ったお茶が新茶と呼ばれます。
この記事で紹介したとおり、立春から数えて八十八夜、つまり5月2日頃から新茶の摘採が始まります。
それぞれの茶園の気候の差もありますが、4月〜5月頃に摘採された、新芽で作ったお茶が新茶ということになるんですね。
新茶の別の呼び方として、一番茶という言葉があります。一番茶は、これは文字通りその年に1番最初に摘採されたお茶という意味ですので、呼び方は異なりますが、一番茶と新茶は同じ定義ですね。紅茶の世界では、一番茶を意味するファーストフラッシュや、二番茶を意味するセカンドフラッシュという言葉で分類することが一般的です。
新茶という言葉は、お茶の鮮度を表す言葉ではなく、摘採された時期を表す言葉なんですね。
つまり、言葉の定義からすると、どれだけ古くなっても新茶は新茶なんですが、5〜6月頃に流通するお茶のみに新茶という言葉が使用されているかと思います。
なんとなく、「一番茶」よりも「新茶」のほうが季節性やトレンド感があって、美味しそうに感じたり購入したくなったりしますね。
ただ、この「新」という言葉は、通年では使用しづらい言葉なので、パッケージ印刷や流通等の観点で考えると少し厄介な言葉でもあります。
おそらく、新茶という言葉が日本茶だけで発展してきた理由はこのあたりにあるのではないかと、僕は勝手に考察しています。
新茶という数ヶ月しか使用できない単語を使用したパッケージを素早く印刷して、新茶と呼べる時期に素早く製茶して、しっかりと需要予測をして新茶のパッケージに入ったお茶を売り切る、というタイトな時間軸と製造及び販売インフラは、非常に日本的だと思うのです。
また、日本の緑茶は賞味期限が1年間ほどなので、「去年の新茶」と「今年の新茶」が混ざりにくいというのも、緑茶で「新茶」という言葉が使用される理由かもしれません。
インドで製茶してヨーロッパなどに輸出されるダージリン紅茶等を考えると、お店の棚に並ぶ頃には「新」という言葉に違和感が残るくらい時間が立ってしまっているかもしれません。また、紅茶や中国茶の賞味期限は複数年あることも珍しくないので、いつの「新茶」なのかわからなくなってしまいますね。ですので、紅茶の業界では「新」という言葉は使用せず、「ファーストフラッシュ」「セカンドフラッシュ」などの言葉のほうがしっくりくるのかもしれません。
新茶という言葉が日本茶だけで発展してきた理由を勝手に考察してみましたが、我ながら、さもありなん、な感じがしています。
以上、新茶の定義の話でした!
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