お茶の抽出はなぜ「蒸らし」なのか考えてみた

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「蒸らし時間」は茶葉にお湯を注いで待つ時間を指しますが、この時間を指す言葉として、蒸らし時間のほかに、浸し時間、抽出時間などがあります。

「蒸らし」、「浸し」、「抽出」、それぞれの意味を再確認してみたいと思います。

それぞれの言葉の意味を調べに図書館に行ってきました。

【蒸らす】

(炊いた飯などが)蒸れるようにする
出典:広辞苑第7版

【蒸れる】

(加熱後も密閉することで)熱や蒸気が十分に通り、ほどよい温度・やわらかさをもつ。
出典:広辞苑第7版

【抽出】

個体・液体からある物質を、液体で溶解して取り出すこと。
出典:広辞苑第7版

【浸す

液体の中に入れる。つける。
出典:広辞苑第7版

「抽出」と「浸す」はなんとなく意味が分かりますね。
お茶を淹れるというのは、茶葉から味や香りをお湯に溶かして取り出す行為なので、「抽出」はしっくりきます。
「浸す」も茶葉をお湯という液体に入れるという意味でシンプルかつわかりやすい表現ですね。

一方、「蒸らす」は辞書に載るような一般的な言葉の意味とお茶文脈で使われる意味が違うかも?
お茶を淹れる時は、たしかに茶葉にお湯を注ぐことで熱や蒸気を通しますが、茶葉にほどよい温度や柔らかさをもたせることを目的にしているのではなく、茶葉にお湯を注いでお茶にすることを目的にしていて、あくまでも主役はお茶(液体)となるので、すこし違和感がある表現に感じました。

「蒸れる」、「蒸らす」に関しては、ほかの辞書も一様に、ご飯などを例にとって蒸れるようにするというようなことが書いてありました。
しかし、お茶屋さんや淹れ手が「蒸らし」という表現を一般的に使っていることも事実なので、今後辞書にもお茶の抽出という意味も載るようになるかもしれないですね。

お茶の抽出レシピに頻繁に登場し、お茶をよく飲む方にとっては一般的な「蒸らし」。
どうして抽出時間でもなく、浸し時間でもなく、蒸らし時間が主流の表現になったのか興味深いなと思いました。

ちなみにteploでは抽出時間という表現を用いています。
これは、抽出という言葉によって、これから行う工程の目的も込みで伝えることができると考えているためです。

お茶屋さんや淹れ手ごとにどの表現を使うかのポリシーもあるのかもしれません。
みなさんはどの表現がしっくりきましたか?


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