玉露とかぶせ茶と煎茶の違いは? 違いと美味しい飲み方をわかりやすくご紹介

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この記事では、玉露、かぶせ茶、煎茶の違いと、それぞれの美味しい淹れ方をわかりやすくご紹介します。

まずは、それぞれの違いから。
上の写真のように、お茶の葉は日光の光を存分に浴びて、すくすくと成長します。
元気に育った茶葉を摘み取ってお茶を作るのですが、煎茶、かぶせ茶、玉露は、摘採前の「被覆工程」の期間が異なります。
被覆工程とは、茶葉の収穫前に、寒冷紗(かんれいしゃ)と呼ばれる布等を茶に被せて、日光を遮る工程です。
茶葉の味の構成要素の旨味、甘味、渋味、苦味のうち、旨味や甘みはテアニンというアミノ酸が、渋味や苦味はカテキンやカフェインが作り出しています。実は、茶葉が日光を浴びると、旨味成分のテアニンが変化して渋味や苦味成分のカテキンを作り出してるのです。
そのため、摘採前の被覆工程により日光を遮ることにより、渋味苦味成分のカテキンの量が抑えられ、甘味旨味成分のテアニンが多い茶葉ができあがります。
この摘採前の被覆工程の期間が、玉露は20日〜30日ほど、かぶせ茶は3日〜10日ほどで、煎茶は被覆が行われません。
ですので、玉露はより旨味や甘味が強く、煎茶はキリッとした渋味や苦味も感じられる、かぶせ茶は玉露と煎茶の中間くらいの味わいのお茶ができあがります。

以上が、玉露、かぶせ茶、煎茶のそれぞれのお茶の製造工程の違いと特徴でした。
では、急須で淹れる場合のそれぞれのお茶の美味しい淹れ方をご紹介します。
下で紹介する抽出条件は、1煎目を淹れるときの目安の条件です。

玉露の美味しい淹れ方
茶葉量: 10g(ティースプーン5杯)
湯量: 100ml
抽出温度: 45度
抽出時間: 5分
かぶせ茶の美味しい淹れ方
茶葉量: 7g(ティースプーン3杯)
湯量: 300ml
抽出温度: 65度
抽出時間: 3分
煎茶の美味しい淹れ方
茶葉量: 7g(ティースプーン3杯)
湯量: 300ml
抽出温度: 80度
抽出時間: 2分

なんと言っても特徴的なのが、玉露の抽出条件です。10gの山盛りの茶葉に対して、100gの少ない量で、さらに45度と低い抽出温度で淹れていきます。抽出の過程で茶葉が水を吸いますので、飲むことができるお茶の量は30ml〜50ml程度です。しずくのような少量のお湯で抽出しますので、「しずく茶」と呼ぶこともあります。抽出されたお茶は、旨味と甘味が凝縮された、「THE GYOKURO」という感じの味わいになります。しずく茶の玉露を初めて飲む人は、普段飲み慣れているお茶とはまったく異なるお茶の表情や底力に、驚きを感じるかと思います。
玉露の2煎目、3煎目を淹れる場合は、お湯の量を200ml〜300ml程度に増やし、抽出温度も60度〜80度程度に上げて、抽出時間は1分〜2分程度で淹れてみましょう。1煎目は玉露の芳醇な旨味と甘みを楽しみ、2煎目から3煎目は、徐々にさっぱりとした渋みも楽しむことができるかと思います。
かぶせ茶や煎茶の2〜3煎目は、抽出する水の量は変えず、抽出温度は1煎目よりも少し高い温度で、抽出時間は1分〜2分で楽しんでみてください。2煎目や3煎目は、徐々にさっぱりとした特徴のお茶へと変化していきます

上で紹介したように、旨味や甘みの成分が多い玉露かぶせ茶は、その特徴を最大限に出すために低めの温度で、苦味や渋味の成分が多い煎茶は少し高めの温度で淹れることで、それぞれのお茶の特徴を最大限に活かしたお茶を楽しむことができます。
抽出温度が抽出成分に及ぼす影響は、私たちのteploティーポットを使用して実験を行い、学会発表も行われています。少しマニアックな内容になってしまいますが、実験が気になる方はこちらの記事もチェックしてみてください。


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