お茶の中国種とアッサム種の違いをご紹介

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お茶には多くの品種が存在し、その中で世界的に広く利用されているのは、中国種とアッサム種という2種類の茶樹です。それぞれが異なる特性を持ち、異なる気候条件や用途に適しているため、茶の選択や楽しみ方にも違いが生まれます。今回は、この2つの主要な品種の特徴と違いについて詳しく解説します。

中国種とは?

中国種の茶の木は、中国南西部の雲南省を起源とする茶の木です。葉の大きさは小さく、長さは約3〜5cmほどで、表面は滑らかで細かい繊維が特徴です。この茶樹は、揚子江流域に沿って東に広がる茶栽培地帯の中で、冬の寒さに適応する形で進化しました。小さな葉を持つ潅木型の茶樹が主に生き残り、耐寒性が高く、冬に凍結する地域でも栽培が可能です。

成分の面でも、中国種の茶葉にはカテキンの含有量が少なく、アミノ酸の含有量が多いという特徴があります。このため、酸化発酵しにくく、緑茶や白茶、ウーロン茶などの生産に適しています。日本でも中国種が広く栽培されており、特に緑茶の生産に利用されています。さらに、近年では中国種を用いた紅茶の生産も増加しており、これにより苦味や渋みが少なく、甘みが感じられる紅茶が作られています。ダージリン紅茶で甘みを感じることはありませんか?実は、ダージリンはインドの地区ですが、中国種のチャノキを使用して紅茶づくりをしているのです。

アッサム種とは?

アッサム種は、1823年にインドのアッサム地方で英国人M.R.ブルースによって発見された茶の品種です。アッサム種の茶葉は非常に大きく、長さは10〜18cmにも達し、表面は凸凹があり繊維も粗いのが特徴です。この茶樹は温暖な気候に適しており、寒冷地では育ちにくいため、主にインドのアッサム地方やスリランカ、インドネシア、ケニアなどの暖かい地域で栽培されています。

アッサム種の茶葉にはカテキンが豊富に含まれ、アミノ酸の含有量は少ないです。また、酵素の活性が強く発酵しやすいため、紅茶の生産に非常に適しています。アッサム紅茶は、深い赤い色合いとコクのある力強い味わいが特徴で、特にミルクティーとして楽しまれることが多いです。

中国種とアッサム種は、その起源や葉の形状、気候適応性、成分の違いなどから、異なる用途や生産方法が採用されています。お茶の世界には、こうした多様な品種とその特徴が存在しています。次回お茶を楽しむ際には、こうした違いを意識して味わってみると、さらに深い楽しみ方ができるかもしれません。


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